「我慢」は戦略的撤退と同じです。元自衛官の私が、感情を捨てて「仕組み」でキャリアを攻略した全記録

Introduction:思考停止という名の「我慢」


あなたは今、会社に行くのが辛いですか?
「石の上にも三年」という言葉を信じ、歯を食いしばって耐えているなら、今すぐその思考を捨ててください。
断言しますが、我慢は美徳ではありません。ただの「思考停止」です。
私は元陸上自衛官です。泥にまみれ、限界まで体力を削る生活を13年間続けました。だからこそ言えます。「耐えること」と「成果を出すこと」は、全く別の変数です。
多くの人は、人生やキャリアを「精神力」で乗り越えようとします。
しかし、現代社会という戦場で精神論は通用しません。必要なのは「根性」ではなく、勝てる場所を選び、勝てる武器を装備する「設計(Design)」だけです。
この記事は、感傷的な自分語りではありません。
私が人生の前半を「組織への服従」という非効率に費やし、挫折を経て「論理と仕組み(DX)」で人生を再構築した、その全プロセスの記録です。
もしあなたが、現状を変えたいと本気で願いながらも、感情論や精神論にうんざりしているなら、この記事はあなたのためのものです。
逆に「頑張れば夢は叶う」というファンタジーがお好きなら、ここでブラウザを閉じてください。貴重なあなたの時間を無駄にするだけです。

My Story 1:思考を放棄していた自衛隊時代


私のキャリアの起点は陸上自衛隊です。
13年間、偵察隊という組織に属していました。
当時の私を支配していたのは「組織に従うことが正義である」という強力なドグマです。上官の命令を忠実に遂行する者は組織内の評価も高く、逆に革新的な発想や新しい概念を持ち込む者は忌避されてしまう、凝り固まった組織でした。
上官の命令は絶対。肉体の限界を超えて任務を遂行する。そこに疑問を挟む余地はありませんでした。現場の非効率は見過ごされ、前例がないからと改善提案は受け入れられず。抽象度高く根本的な問題解決も「そんな予算はない」の一言で実現せず夢物語の理想論に終わる。「そんなことで本当に現代戦を戦えるのか?」この思いは訓練を重ねるごとに大きくなるばかりでした。
そして致命的だったのは、一歩引いて「市場価値」という冷徹なモノサシを当てた時、そこには何も残っていないということでした。
私が積み上げていたのは、特殊な環境下でしか機能しない「限定的なスキル」と、理不尽に耐え現状を受け入れる「忍耐力」や「妥協する力」だけ。
資本主義社会という、自衛隊の外側に広がる広大なマーケットにおいて、私の13年間は「再現性のない時間」だったのです。
「組織のために自分を殺す」
それが美学だと信じていましたが、それは自分の人生に対する責任放棄に他なりませんでした。
私は30代半ばにして、ようやくその「構造的な欠陥」に気づき、社会へ出る決意をしました。

My Story 2:「気合」が通じない世界での敗北


自衛隊を退職し、私が選んだのは「ベンチャー中古車販売の営業」でした。
そして、ここで私は人生最大の「構造的敗北」を喫します。
自衛隊で培った根性があればどんな仕事でも通用する。そう高を括っていました。
しかし現実は非情でした。
私のようなINTJ(建築家タイプ)にとって、不特定多数の人間と感情的なやり取りを行い、相手の懐に入り込む対面営業は、もっとも相性の悪い領域です。
論理で車のスペックを説明することはできても、感情に訴えかけて契約を勝ち取ることができない。
結果は惨憺たるものでした。
売れない。上司に詰められる。長時間労働でカバーしようとするが、疲弊するだけで成果が出ない。家族との時間を犠牲にし、遅くまで残業をしてもなお給料は上がらない。
自衛隊時代には無限にあると思えた体力が、精神的な摩耗によって枯渇していきました。

残業後、夜遅くに自宅へ帰る車の中で私は毎日考えていました。「なぜ、こんなに頑張っているのに報われないのか?」
そして、ひとつの結論に至りました。
努力が足りないのではない。「戦う場所(Environment)」と「武器(Tool)」の選択を間違えているのだ、と。
水の中で火を焚こうとしても無理なように、自分の資質(スペック)に合わない環境で、合わない戦い方を続けても、消耗するだけです。
ここで私は、人生で初めて「感情」や「気合」を捨て「自分のスペックを最大化する戦略」へと舵を切りました。

My Story 3:DXという「レバレッジ」


逃げるように転職した先は、測量会社の総務部でした。
給与は下がりましたが、私には確固たる狙いがありました。
「感情労働を排除し、仕組みで成果を出す」という実験です。
自衛隊時代も中古車販売会社でも私が共通して「身体が動く領域」があることに気づいたのです。それは「物事の構造を理解し、最適なツールや仕組みで解決する」ことです。
総務の現場は、非効率の博覧会でした。
手書きの申請書、膨大なExcelへの転記作業、電話での確認業務。Faxが現役。社内コミュニケーションでもメールアプリ使用。
周囲の人間はそれを「仕事」と呼んでいましたが、私には「無駄」にしか見えませんでした。しかし中小企業であるが故に経営者との距離が近いことが幸いしました。
自衛隊のように情報保全を理由に新しいツールを一切導入しない姿勢もなければ、勢いと気合だけで押し切るベンチャーの雑さもない。
私はここで、プログラミング未経験ながらAIとMicrosoft Power Platformという「武器」を手に取りました。
コードが書けなくても、AIに指示を出せばシステムは作れます。
私は徹底的に業務プロセスを分解し、自動化のフローを組みました。
紙でファイリングしていた入札情報等の資料 → 電子保管を推進
社内コミュニケーションツール → Teamsを導入、運用
アナログな紙の申請業務 → 自動化フローを作成し電子化
Excelの管理台帳 → SharePointリストをデータベースとしたPowerAppsアプリの作成
結果はどうなったか。棚を占有していた紙ファイルが消え、共有フォルダのどこに何が保存されていたかわからなかった情報がTeamsに集約され、紙の経費申請がTeams承認で完結し、オリジナルの極みだった業務一覧が誰でもわかりやすく見られるようになりました。
残業はなくなり、私は定時で帰宅しながら、社内で誰よりも高い評価を得ることになりました。
これが「レバレッジ」です。
汗をかいて働くのではなく、自分が動かなくても成果が出る「仕組み」を作る。
自衛隊時代の「自分を殺して組織に尽くす」働き方から、「ツールを使い倒して組織をハックする」働き方へ。
この成功体験が、私のキャリア観を完全に書き換えました。
重要なのは、個人の能力の多寡ではありません。「適切な場所で、適切なツールを使っているか」。それだけです。

Methodology:あなたが打つべき2つの手


私の物語は、特殊な事例ではありません。
論理的に行動すれば、誰でも再現可能です。
現状を打破するためにあなたがやるべきことは、以下の2つしかありません。


A:環境を変える(キャリア設計の最適化)
もしあなたが、自分の資質に合わない場所で消耗しているなら、即刻撤退すべきです。それは「逃げ」ではなく「戦略的配置転換」です。
しかし、闇雲に転職しても同じ失敗を繰り返します。
必要なのは、自分の「Want to(心からやりたいこと)」と「強み」の徹底的な言語化です。
感情や憧れで仕事を選ばず、自分のスペックが最も高く評価される市場(マーケット)を論理的に特定してください。
自分一人で客観視できない場合は、キャリアコーチングを利用するのも有効な投資です。


B:武器を変える(AI・DXスキルの習得)
環境を変えるのが難しい、あるいは今の職場で成果を出したいなら、武器を変えてください。
現代において、AI(ChatGPTなど)とNoCodeツールを使えないビジネスマンは、竹槍で戦車に挑むようなものです。
エンジニアになる必要はありません。
「自社の業務のどこが非効率か」を発見し、それをAIを使って解決する。この「DX推進スキル」こそが、今の市場で最も希少性が高く、かつコスパの良い武器です。
私が実際にどうやって未経験から業務を自動化したのか。
具体的なツールやプロンプト、学習手順については、Noteの有料記事で詳細に解説しています。
精神論ではなく、明日から使える「コード」と「手順」だけを記しました。
[非エンジニアがChatGPTで業務を自動化する全手順]

Conclusion:時間は有限、感情はノイズ


最後に、あなたに問います。
あなたの人生の残り時間は、あと何時間ですか?
上司の顔色を伺い、満員電車に揺られ、適性のない仕事で心をすり減らす時間は、あなたの人生の「何%」を占めていますか?
感情で悩むのは、暇な証拠です。
「辛い」「辞めたい」と嘆く時間があるなら、その1秒を「どうすれば解決できるか」という構造分析に使ってください。
世界は「物理」と「論理」で動いています。
そこに感情が入り込む余地はありません。
あなたが泣こうがわめこうが、システムは変わりません。あなたがシステムを使う側(管理者)に回るしかないのです。
私は、元自衛官として「生存」を最優先に考えます。
現代社会における生存とは、経済的な自立と、時間の自由を獲得することです。
そのためのロードマップは、私がすでに示しました。
あとは、あなたが「やるか、やらないか」。
二つに一つです。
もし、私の思考に共鳴し、冷徹に自分の人生を攻略したいなら、まずはこのブログをブックマークし、日々の発信(X/YouTube)を追ってください。

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